奥の細道、青森県八甲田山

2021/05/23

travel

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ううーー、さぶっ

って思ってポケットに手を突っ込むふりをする

というのもボクはネコだからだ

イメージは石原裕次郎記念館の裕次郎ボスが

コートのポケットに両手を突っ込んでる場面



なに?

ポケットに手を突っ込むふりをするってどういうこと、って?

ポケットがないからしかたないんだよ。


ここは、青森だ

ボクは、ごせんぞさんに会いに来たんだ

いたこっていう霊媒師さんがたくさんいらっしゃるんだよ

だけど、ボクは霊媒師さんにはあわなかった

店長さんがいっしょだったら霊媒師さんも

ボクののぞみをかなえてくださったかもしれないけど

なにしろ、ボクはネコだからね

いたこさんが突然「にゃー」とかなきだすかもしれないから

期待はしてたんだけど

やっぱりネコの相談にはのってもらえない


秋になりかけだから

ほんとはまだあついくらいの季節なのに

ここはすっかり黄昏の季節になってる

すずしくて、白樺林の木漏れ日が最高だ

火山があるのか、硫黄のにおいがときどきする

しばらくすると、まったく気にならなくなるけど

体には硫黄の匂いがほのかに残っていて

下山した後からでも硫黄のにおいがするんだ


なだらかな道をてくてく歩くだけでもいやされる

山の中だからクマが心配かもしれないけど

いちばん気を付けないといけないのは、ダニなんだ

いちばん気を付けないといけないのは、ダニなんだ


帰宅してから気づくことも多い

なんだか、イボができちゃったかなぁって思ってたら

それが日増しに大きくなって8mmくらいになる

1cm超えたら店長さんに聞いてみようと思うんだけど

8mmというのが微妙なんだ

いたくもかゆくもないので、ほんとにイボかと思ってたら

定期健康診断と予防接種の時に獣医さんに見つかってしまった

あ、これはダニですね

ムリにとるとキバが体内に残っちゃうんですよ

なので、特別なリムーバがあって、こうしてっと

あっというまにイボが取れたんだ

それでも

ボクは卒倒しそうになったんだけど

見せてもらったイボから8本の足が

うねうね動いていたんだから!

ひぇー


今思い出すだけでも、きもちわるーー

獣医さんは

ほらね、これ、ヤマトダニですよ、だって

ときどき、人間にもつくから気を付けてね

登山にいって道に迷ったときに、やぶこぎとかするでしょ

そんなときにおなかとかやわらかい皮膚についてくるんだって

あ、そうそう、ダニかなって思ったら自分でとっちゃだめだって

さっきの獣医さんいってた

もしもダニにやられてるのがわかったら

ふつうにお医者さんへ行くといいですよ

まちがえても獣医さんに行かないでね


さて、はなしは青森県



ボクは沢におりて水を飲んだ

冷っとしてて気持ちいい。

それで、みけちゃんにも声をかけてみた

あ、かきわすれてたけど、今日はみけちゃんちの家族旅行についてきてるんだ

だから、みけちゃんもいっしょなんだよ

みけちゃんちは、パパとママと男の子がふたりいる

男の子はふたりとも小学生低学年だ


さんざん、ハイキングとかピクニックとか、木道とかをあるいたあと

みけちゃんちのみんなは

ロープウェイにのるらしい

だけど、みけちゃんはペットだから一緒には行けないらしく

みけちゃんとボクは八甲田山ロープウェイの駐車場でまってることにした

駐車場からみると、ここに雪が降ったらスキー場になりそうな雰囲気が満載だ。


「ねえねえ、みけちゃん、ここに、いたこっているんじゃない?」

「いたこってなによ」

「ええっと、たしか、霊媒師さんで、ご先祖さんがのりうつるって」

「あんた、なにねぼけてんの、ここは八甲田山よ、いたこに会えるのは恐山じゃない」

「え? 恐山? そうか、じゃあ、八甲田山なんで有名なの」

「八甲田山といえば、ロープウェイと八甲田山死の行軍じゃない(八甲田山死の彷徨、が正しい)」

「ありゃー、まちがえてた、そうだったのかぁ」

「あんた、さっきからおかしい、おかしいって、

おもってたら恐山と八甲田山をかんちがいしてたのね

ついでに教えとくけど、恐山っても山じゃないからね、

あんたみたいなまぬけは、

登山の装備で行くと思うけど

そこでも着いたらびっくりするとおもうわ」



今日もみけちゃんにしかられたじゅにあだったのでした


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