おとなだんし、まだまだ、おねしょがこわいというひとが80%もいるらしい。じぶんなんて、しょっちゅうおねしょしてるもんね~だ。
むかしむかし、あるところに
いいこにしてるのよ |
おじさんと、おばさんがすんでいました。
おじさんは、やまへしばかりに(ゴルフのことね)、おばさんは、かわへ、せんたくに、いくのがにっかでした(いのちのせんたく、のいみで、きぬがわおんせんへ、りょこうすること)。
さて、おじいさんが、しばふのうえをあるいていると、ちかくのやぶのなかから、
「うぇーん、うぇーん」
「うぇーん、うぇーん、……」 |
なきごえがきこえまた。
「おやおや、どうしたんじゃろうか、だれかいるのかい?」
おじいさんは、やさしく、こえをかけてみた。
「うぇーん、うぇーん、……」
おじいさんのこえが、きこえたのか、なきごえが、とぎれた。
おじいさんが、こえのしていたほうへ、あるいていくと、
「ひっく、ボク、ここにいるよ、ひっく……」
という、かわいいこえが、きこえてきた。
ちなみに「ひっく」っていうのは、なきじゃくってたから、しゃっくりみたいな、こえのことだね。
おじいさんが、たちどまって、やぶのなかをのぞいてみると、
「あんれま、ゴルフボールが、こんなところに……」
おじいさんは、まさか、ゴルフボールがしゃべったとはしんじられなかったので、
「どうしたんじゃ?」
って、もういちど、こえをかけてみたらゴルフボールのよこから、
ちいさな、おとこのこがでてきて
いえで、の、とちゅうのボクたち |
「ひっく、ボク、さみしいよ、ひっく……」って、ないていたんだ。
おじいさんは、かわいそうになって、じじょうをきいてみたら、おとこのこは、さくばん(きのうのよる、のこと)、おとうさんとけんかしていえでをしたらしくてのじゅく(いえのそとで、ねること)して、おきたら、こびとになっていたんだそうだ。
「きみ、ひとりだけなの?」
おじいさんは、やさしく、きいてみた。
「うん」って、おとこのこが、いって、めから、なみだが、じわ〜って、ながれてきた。
おじいさんは、かわいそうにおもって「とりあえず、けいさつに、そうだんしよう、こうしてはいられないな、すぐに、やまをおりよう」
と、いって、
おとこのこを、てのひらにのせて
ボクは ぜんざいさんをもって いえでした |
やまをおりていった。
「で、なまえは、なんていうの?」って、おとこのこにきいてみたら、
「たなかやすお」って、おとこのこはこたえた。
「どこにすんでるの?」って、きいたら、
おとこのこは、じゅうしょと、ばんちをしっかりいうことができた。
でも、なんで、こんなに、ちいさくなっちゃったんだろう、って、おじいさんはおもった。
「ほんとは、しんちょう、どれくらいだったんだろか?」
おじいさんは、おもいきってきいてみた。
というのも「ひとのしんちょうと、じょせいのねんれいは、けっして、きいてはいけない」
って「ジェントルマンのエチケット」って、いうほんに、かいてあったのをおもいだしたからだ。
そうすると、やすおくんは「ボクは、しょうがく2ねんせいで、クラスのうしろから4ばんめだよ」って、こたえた。
うーん、どちらかというと、せのたかいほう、ってことかな。
おじいさんはおもった。
さて、じどうしゃで
こうばんにいってみたんだけど
こうばん |
さいきんのこうばんは、むじんのことがおおい(むじん:ひとがいないこと、こうばんなので、おまわりさんがいないこと)。
インターホンをならして「ほんぶ」(けいさつほんぶのこと)と、はなしをした。
「あー、もしもし、こうばんにいるんですが、まいごの、しょうがく2ねんせいの、おとこのこをつれてきました」って、おじいさんは、はなした。
インターホンから、ハキハキと、こえがきこえた。
「おなまえは?」
「ええっと、たなかやすおです」
「たなかやすおさん?おとしは?」
「しょうがく2ねんせいです」って、おじいさん。
「いえいえ、こどもさんのことじゃなくて、あなたのおなまをおしえてください」
「あーこりゃ、しつれいしました、やまだゆうじです、68さい……」
こんなはなしをしているあいだに、
パトカーがやってきて
たなかやすおくん |
おじいさんは、おなじはなしをパトカーのおまわりさんに、もいうちどした。
パトカーのおまわりさんは、たなかやすおくんの、じゅうしょと、でんわばんごうをきいて、おかあさんと、れんらくをとってくれた。
「もしもし、たなかやすおくんのおたくですか?たなかやすおくんを、ほごしました。にしくのこうばんに、むかえにきていただけますか?」
おまわりさんが、でんわでそういうと、
「やすお〜、どこいってたの〜、かあさんは、かあさんは〜」
って、やすおくんのおかさんが、でんわのむこうで、なきだした。
しかたないので、パトカーのおまわりさんは、
「こちらから、やすおくんをおとどけにあがりますから、そこで、おまちください、5ふんでうかがいます」
って、いって、たなかやすおくんをパトカーにのせて、はしりさっていった。
このあたりで、おじいさんは、へんだなぁ、って、きがした。
「ひょっとして、これは、ゆめなんじゃないだろうか?」
ゆめなんじゃないだろうか? |
って、おもったらしい。
なにしろ「たなかやすお」くんが、こびとになってるいみがわからないし、パトカーのおまわりさんが、そのことを、まったくへんにおもっていないようす、だったからね。
それで、ちょっと、おちついたほうがいいなって、おじいさんは、おもって、めざましのコーヒーをのんでトイレにもいってみた。
「じわ〜」
なんだか、
こしのあたりが、なまあったかい
こしのあたりが、なまあったかい |
「あれれれ?」
おじいさんは、あわてた。
それで、しっかり、めがさめた。
「わー、おねしょ、してしもうた〜」
って、おじいさんになったゆめをみていた。
「やまだゆうじ」くん、8さいは、よなか2じに、とびおきたのだった。
こわーい、こわーい、はなしだったねぇ。
おしまい。
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